フライングフィッシュはスピードレーシングのコンセプト「軽さ」「速さ」「ハイパワー」を追及した素材で、 2007年
[*1]に登場した。
その最大の特徴は「軽さ」にあり、糸の中心に空洞がある「中空系ハイパワートリコット素材」を採用することで超軽量を実現。
加えて、耐久撥水加工と表面平滑プレス加工により、ゴールドウインの既存素材を超える低抵抗も実現した。
その後、フライングフィッシュは素材のバリエーションを増やし、商品展開を拡充していく。
・フライングフィッシュ-W
極細透過防止原糸を使用し、軽量化と透過防止性を両立。明るい色やプリントモデルに使用される。
塩素耐久性の高い繊維「エクストラライフライクラ」を使用。
・フライングフィッシュ-SF(2008年)
[*2]
フライングフィッシュの表面に整流効果を生み出すためのエンボス加工を施した素材。
加工上の不具合があったためメーカー回収となった。
・フライングフィッシュ-Ⅱ(2009年)
[*2]
フライングフィッシュ-Wの生地表面にグラフィックプリントを施した素材。
グラフィックデザインはSFと同じだが、エンボス加工ではなくプリント加工である。
・フライングフィッシュ ハイブリッド
前後の主要部分に布帛生地のレーザーパルスを、サイドにフライングフィッシュを使用した複合素材タイプ。
レーザーパルスが持つ「超軽量」「超低抵抗」とフライングフィッシュの「優れた着用感」を併せ持つ。
2010年、フライングフィッシュはファーストスキンシリーズに加わる事となり、FASTSKIN XTへ名称変更した。
同シリーズもFASTSKIN XT-W、FASTSKIN XT-Ⅱ、FASTSKIN XT HYBRIDへとそれぞれ名称変更した。
FASTSKIN XTはニットモデルのメイン素材として、シリーズを拡充していった。
・FASTSKIN-XT active Hybrid(2012年)
[*3]
FASTSKIN XT-Wと新ニット素材「360°FLEX」を組み合わせた、オールニットモデル。
コンペティションエントリーモデルの位置付けで、レースカット(ハイカット)もラインナップされた。
・FASTSKIN XT ELITE(2013年)
[*3]
一枚のニット素材(FASTSKIN XT-W)で、身体の部位で異なる締め付け「ゾーンコンプレッション」を実現したモデル。
胸・太もも・ヒップ部分に締め付けが強い「ハイパワーニット」、ウエスト・裾部分に「ローパワーニット」を配置。
メンズ、レディス共にハーフスパッツモデルのみの展開。
・FASTSKIN XT-Σ(2014年)
[*3]
FASTSKIN XT-Wのエンボス加工タイプ。
マスターズ向けのモデルで、メンズは競パンモデルがあったが、レディスはニースキン(ハーフスパッツ)モデルのみだった。
カタログ掲載は2014~2015年モデルのみで短命だった。
・FASTSKIN-XT active Hybrid2(2016年)
[*3]
FASTSKIN XT-Wと360°FLEXの組み合わせはそのままに、デザインを変更。
前作ではレースカット(ハイカット)がラインナップされたが、今作ではエイムカット(ミドルカット)に変更された。
最後に、FASTSKIN XTで記録しておきたいのが、
ショップオリジナルの企画で叶ったFASTSKIN FSⅡデザインの復刻モデルだ。
素材にFASTSKIN XT-Wを使用するため、この項でコレクションを紹介する。