2001年に登場したハイドロSPは、撥水加工により素材の全面で水を弾いて保水率を低減させ、表面をフラットにするカレンダー加工により水の抵抗を軽減した素材である。
非常に光沢の強い生地は着ると柔らかで伸びがあり、強い締め付けとも異なる心地よいホールド感を持つ。
そのラインナップはスパイラルカットⅡと呼ばれるハイレグモデル(メンズは競パン)をメインに、
ハーフ丈の「チューブ」、ロングの「フルチューブ」(メンズはロングチューブ)を用意。
優れた撥水性能を手にした事で、他社と同等のラインナップを揃えた。
特にフルチューブはファスナーバックの採用や、ステッチに別カラーを配色するなど、機能的にも視覚的にも特別感あるモデルに仕立てられている。
他にもチューブ(ハーフ)は内ももに排水とムレ感を抑えるメッシュ素材を配置。
もちろんハイレグモデルはハイレグ全盛期らしい、鋭い角度のカットが与えられた。
単色モデルに多彩なカラーを用意した他、多くのプリントモデルが生産されたのも魅力の一つである。
ハイドロSPは高性能で心地よい着心地が多くのユーザーを惹きつけ、大ヒット商品となった。
更にハイドロSPは新シリーズ「ティーライナー」に発展し、初代モデルは全面に採用、その後は
複合素材の一部パーツにハイドロSPが採用された。
このため、ハイドロSPは後発の新素材が登場後も取扱いが継続され、チームオーダー(受注生産)によって製造されたモデルも多い。
また、2010年の国際水泳連盟(FINA)規定時期とも重なった影響で、FINAマークが付いたハイドロSPモデルも存在する。
このように、ハイドロSPは2000年代のアシックスを支える、重要なマテリアルであった。
ハイドロSPは息の長い素材だったが、素材の製造終了に伴い2013年に惜しまれつつ廃版となった。
光沢、カット、着心地、どの角度から見ても死角の無い競泳水着と言っても良く、
今もその魅力に憑りつかれたマニアも多い。現在も驚く程の高値で取引されている事が、それを物語っている。
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特徴あるブランドマーク(デジタル処理による修復画像)
asicsのロゴの背面に土星の環のようなデザインがされたロゴ。
ALS403等の一部モデルで採用された。
このロゴも劣化し易く、完全な状態のものは「超」が付くほど貴重と言える。
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ハイドロSPの光沢感
ハイドロSPの魅力の一つに、この光沢感が挙げられる。
上品な艶をしており、見るからに高品位な素材である事が伺える。
非常に滑らかで、柔らかく、極上の着用感を与える。
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腰に入るワインポイント“スパイラルライン”<ALS414>
既にハイドロCDやP2で採用されたスパイラルラインが、ハイドロSPでも採用された。
単色のALS403と比べ、スパイラルラインが入るだけでスピード感や精悍さが増す。
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ホワイトカラーの透け具合
アシックスの白色の競泳水着と言えばハイドロCDやP2が有名だが、ハイドロSPにも設定がある。
ハイドロSPもご覧の通り、生地の下の文字が読めるほど透ける。
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FINAマーク付きのハイドロSP
高速水着を発端とする、国際水泳連盟(FINA)規定時期とも重なった影響で、FINAマーク付きのハイドロSPが存在する。
実際にどれだけの選手がこれを活用したか、些か疑問だが、当時のアシックスが競技の第一線にハイドロSPを据えた証と言える。
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AL1054の背ストラップのクロス部分
2005年製のAL1054はカットが“スパイラルカットⅡ”にも関わらず、背中のクロス部分がエックス(X)形状ではなく、後発の“ホールドカット”の形状となる。
前年登場のTLINER TYPEZEROがホールドカットと、これと同じ形状のスパイラルカットⅡの二種類を展開しており、
このAL1054もそれに準じた形状となったと推測する。
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フルチューブ(ALS402)の背面のジッパー部分
ステッチとジッパーが一体となるようなデザインがされている。
スライダーの持ち手にはアシックスのロゴマークが入ったカバーが付き、水着の内側はジッパーが直接肌に触れないようにされている。
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