レオタードコラム

第一回 レオタードメンテナンス <ゴム入替え編>

ササキスポーツに限らず、多くのレオタードで足口のゴム調整が出来るようになっています。 これは選手の体形や好みでゴムの強さを調整するためです。 しかし着用の度にゴムは伸びたり縮んだり、また洗濯を繰り返したり、年数が経つとゴムは劣化し、 最終的には伸びきってその役割を果たさなくなります。
第一回目のコラムは比較的簡単なメンテナンス、足口のゴム交換を紹介します。 伸びてしまったゴムを交換して、お手軽にリフレッシュさせてみましょう。

はじめに

始める前に、ゴム交換が出来るタイプのレオタードを確認しておきます。

交換が出来るレオタードは、fig.1-aのような形状のタイプ。
脚ぐりが袋状になっており、内側にゴムを入れる穴(fig.1-b)があります。

交換が出来ないレオタードは、fig.2のような形状のタイプ。
脚ぐりに直接ゴムを縫い付けているタイプは、基本的に交換出来ません。
海外製レオタードはほとんどこの形状です。 現行のササキ・ジムナスト型もこの形状なので、交換不可です。

<用意するもの>
・縫い針  ・糸  ・交換用のゴム(ライクラタイプの6コール)  ・ひも通し(挟むタイプが使いやすい) 
・目打ち(あれば便利) ・ハサミ  ・クリップ  ・ボールペン  ・定規
(ダイソーなど100均ショップで揃うかと思います)

交換用ゴムはいくつか幅がありますが、ここではササキのレオタードに用いられているものと近似する6コールを用意しました。 コールとはゴム糸の本数の事で、6コールは「6本のゴム糸が入っている」という意味です。 そしてゴムは「ライクラタイプ」が断然オススメ! ライクラはマルチフィラメント(極細繊維の集合体)なので針を通しても中のゴム糸の糸切れが起こり難く、耐久性にも優れています。 このライクラタイプのゴムもダイソーで「ライクラソフトゴム」の商品名で販売されており、入手しやすいかと思います。
クリップは手芸用の クロバーの仮止めクリップ を使っていますが、ダイソーなど100均ショップでも 「手芸クリップ」の商品名で販売しています。

交換してみましょう

準備が整ったところで、早速交換したいと思います。


<作業手順>
1、レオタードから古いゴムを抜く
2、新しいゴムを準備する
3、新しいゴムを通す
4、ゴムの端を縫い合わせる


作業手順はたったこれだけです。簡単でしょ?
問題があるとすれば、針で縫うところではないでしょうか?
私自身がそうなのですが、「玉結び」と「玉留め」がどうも苦手でして、 縫い作業が苦手な方はYouTubeで 「玉結び」「玉留め」の動画を参考にしてみると良いと思います。

1、脚ぐりの内側の穴から古いゴム引き抜きます。
穴(fig.4)からゴムが出にくい時は、目打ちで引き出すとラクです。(fig.5)
劣化で完全に伸びきったゴムはこんな感じ。(fig.6)

2、新しいゴムを準備します。
ゴムの長さは締め付けの好みや脚の付け根の太さで変わりますが、太腿が太いMASAは39cm(縫い代1.5cm)にしています。(fig.7) 製品で36~37cm(縫い代1cm)くらいかと思いますので、大体こんなものかと。
必要本数を切り出したらゴムの捻じれ防止に、縫い合わせる面にペンで印を付けます。

3、ゴムを通します。
ひも通しにゴムを付けたら、反対側をクリップで留めて引きずり込まれないようにしておきます。(fig.8)
ゴムを通す時は中で捻じれないように気を付けて・・・
途中、前身と後身の縫目があり(fig.9)、ここが狭くて引っ掛かる場合があります。 無理に引っ張るとひも通しからゴムが抜けてしまうので(抜けたらやり直し)、 焦らずゆっくり手繰るように送ります。 特に脚ぐりに切替えが入るデザイン(fig.10)は縫目が増える(=通し難い箇所が増える)のでストレス倍増です(笑)
ゴムを通したら輪っかをつくる要領で、先端同士をクリップ留めしておきます。(fig.11)
先にゴムに印を付けたのは、合わせる面を間違えないようにするためです。 そして最後にゴムが捻じれていないか、再度確認します。

4、ゴムを縫い合わせます。
縫った部分も最後は見えないところに入れてしまうので、縫い方は問わないと思います。 縫い糸は何色でも良いですし、何ならキレイに縫う必要もありません。 気楽に縫い進めて良いと思います。
ただ、力が掛かった時に糸が解れないよう、縫目は細かい方が良いかと思います。 私はジグザグになるように一往復縫っています。 縫い終わったら縫い合わせた部分を穴の中に入れて、形を整えたら終了です。

いかがでしたか?

文章にすると難しく見えるかもしれませんが、実際やってみると思いのほか簡単に出来ると思います。
ゴム一つまでオリジナルに拘るのも良いですが、着用するならビシっと締まっていた方が良いかと思います。 着心地も変わりますし、愛着も倍増しますので、 是非チャレンジして頂きたいメンテナンスです。
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